2022.04.25
機能部材事業分野の展開
機能部材事業分野では、時代の波をとらえた様々な新規の部材を上市してきました。
例えば、1990年代、TV、 PCモニターのカラー化に遅れること20年、複写機プリンターのモノクロからフルカラー化へのニーズが高まり、その中で当社は、カラー化に必要となる新しい機能と形状を有する部品のニーズをいち早く察知、新素材と新加工法の組み合わせ技術を同時開発することにより、転写ベルトと呼ばれる薄肉、継ぎ目、折り目の無い真円形状で、且つ制御の難しい半導電領域で厚み方向と表面方向の異方向の電気抵抗を独立制御した新機能フィルム部品を世に送り出すことに成功しました。
更には、2000年代に入り、当時新素材だったカーボンナノチューブの特殊な静電特性に着目した新機能複合材料を開発、量産化を実現し、また、特殊セラミックスとポリマーのハイブリッドで構成されたセンサー部材に用いられる新超音波素子を開発、製品化し、時代の最先端を走る機能部材を様々な形態で上市してきました。
今、2020年代に入り、まさに自動車、半導体、新電池、通信、インフラ強靭化等の各分野においてパラダイムシフトが起きようとしています。当社では、この変革期に必要な機能は何か?そのための素材は?加工方法は?を常に問いかけながら、研究所とともに新しい価値の追求をし、事業化を狙い続けております。
接着しないものを接着させる、混合しにくいものを混合させる、割れやすい材料を割れにくくする、硬い材料を柔らかくする等、一元的な事象の改善は比較的容易く出来るものですが、高剛性、高耐熱でありながら成形加工性に優れた高靭性な材料等、通常は両立しにくい二律背反事象を覆すとなれば困難を極めます。
この課題に対しては、化学分野のポリマーアロイやフィラー表面修飾を用いた材料複合化技術、機械分野の材料混練技術やポリマーの剪断流動による配向を用いた構造制御技術、物理・電気分野の機能解析技術を駆使し、中長期的な視点での新事業分野の開拓にチャレンジしていく所存です。